退院が決まると、家で使う物を急いでそろえたくなります。買う前に、必要な物を三つに分けてください。介護保険で借りられる物、購入費の支給がある物、自分で買う生活用品です。借りられる物を先に買ってしまうと、体に合わなかったときに替えられません。
買う前に、三つに分ける
2026年度の時点で、介護保険には福祉用具を借りる仕組みと、購入費の支給を受ける仕組みがあります。
| 分け方 | 主な物 | 買う前にすること |
|---|---|---|
| 借りられる物(福祉用具貸与) | 介護用のベッド、車いす、手すり、スロープ、歩行器、つえ | ケアマネジャーか地域包括支援センターに相談する |
| 購入費の支給がある物(特定福祉用具販売) | 腰掛便座、入浴補助用具、簡易浴槽 | 対象になるかを確かめ、指定を受けた事業者から買う |
| 自分で買う生活用品 | 防水シーツ、防臭袋、着替え、名前付けの用品 | 病院で必要かを確かめ、家の条件に合う物を選ぶ |
借りる物は、指定を受けた事業者が、本人の体と家の状況に合う物を選ぶ手助けをし、取り付けと調整まで行います。費用は1割で、所得によって2割か3割になります。要介護度ごとに1か月の支給限度額があるため、ほかの介護サービスと合わせて考えます。
介護用のベッドや車いすは、要支援1・2と要介護1の人は、原則として保険給付の対象になりません。体の状態によっては対象になる場合もあります。使えるかどうかは、相談先に確かめてください。
購入費の支給は、いったん全額を支払い、後から9割(所得によって8割または7割)が払い戻される仕組みです。同じ年度で10万円までが対象になります。入浴補助用具には、入浴用のいす、浴槽用の手すり、浴槽内のいす、入浴台などがあります。
壁に手すりを取り付ける、段差をなくすといった工事は、住宅改修として介護保険の対象になります。工事の前と後に、市区町村への申請が要ります。工事を頼む前に、ケアマネジャーに相談してください。
退院前に、病院と相談先に確かめること
病院の相談窓口や担当の看護師に、退院後の生活で必要になる物を尋ねます。次の四つを聞いておくと、買う物が絞れます。
- 寝る場所は、今の布団やベッドのままでよいか
- トイレと入浴で、手助けや用具が要るか
- 家の中の移動で、つえや歩行器、手すりが要るか
- 着替えや食事で、用意しておく物があるか
担当のケアマネジャーがいる場合は、病院で聞いた内容を伝えます。まだいない場合は、親の住所を担当する地域包括支援センターに相談してください。退院の予定日も一緒に伝えます。
退院の日までに要る物と、帰ってから決める物
全部を退院の日までにそろえる必要はありません。帰った日から使う物と、暮らしてみてから決める物に分けます。
| 時期 | 物 | 理由 |
|---|---|---|
| 退院の日まで | 寝る場所、トイレと入浴の用具 | 帰った日から使う。借りる物は、届く日を事業者と決める |
| 退院の日まで | 着替え、病院から指示された物 | 病院の案内に合わせて用意する |
| 帰ってから | 防水シーツの枚数、防臭袋の大きさ | 使ってみて、洗濯や置き場所に合う数と大きさを決める |
| 帰ってから | デイサービスの持ち物 | 利用先が決まり、持ち物表を受け取ってから用意する |
帰ってから決める物は、最初は少ない数で始めます。足りないと分かってから買い足すほうが、使わない物が残りません。
自分で買う生活用品の選び方
自分で買う物は、用品ごとに選び方をまとめています。必要になった物だけ読んでください。
- 介護用防水シーツの選び方 — 形と寸法、洗濯機に入れる前の確認、枚数の決め方
- 大人用おむつの防臭袋 — 入れる物に合う袋の大きさ、ごみの出し方の決まり
- デイサービスの持ち物と名前付け — 持ち物表の確かめ方、素材に合う名前の付け方
- 介護用の前開きパジャマ — 留め具、寸法、洗濯と乾燥の条件
- 介護の食事用エプロン — 本人の希望、覆う範囲、首まわりと洗い方
- 介護の清拭タオル — 入浴できない日に使う物の大きさと表示
- 初めての大人用おむつ — 種類とサイズを本人と確かめる
相談する前に買わない物
次の物は、相談する前に買わないでください。
- 介護用のベッド、車いす、歩行器、つえ、手すり、スロープ
- 腰掛便座、入浴用のいすなどの入浴補助用具
- 手すりの取り付けや段差をなくす工事
理由は二つあります。一つは、介護保険で借りられるか、購入費の支給を受けられる場合があるためです。もう一つは、体に合うかどうかを、買う前に確かめる必要があるためです。退院後は体の状態が変わることもあります。借りる物なら、合わないときに替えられます。
固定用のスロープ、歩行器、つえの一部は、2024年4月から、借りるか買うかを選べるようになりました。どちらが合うかは、ケアマネジャーと福祉用具専門相談員が提案します。
次の一歩
要介護認定の申請がまだなら、要介護認定の申請で窓口と持ち物を確かめてください。相談できるケアマネジャーを探すときは、ケアマネの探し方が入口になります。入院直後の連絡先と順番は、親が倒れた直後の72時間にまとめています。




