手続きの順路

高齢の親の退院準備|自宅で必要な生活用品の確認リスト

親の退院が決まり、病院から「家で使う物を準備しておいてください」と言われた。ベッドも手すりも要るのか、何から買えばよいのか分からない。

まず押さえておきたいこと

退院後に必要な物は、買う前に三つに分けます。介護用のベッドや車いすなど介護保険で借りられる物、入浴や排泄の用具など購入費の支給がある物、防水シーツや着替えなど自分で買う生活用品です。借りる物と支給のある物は、買う前にケアマネジャーか地域包括支援センターに相談してください。自分で買う物も、病院で必要かどうかを確かめてからそろえます。

この記事の使い方と確認日

今の状況に合わせて、連絡先や準備することを確かめます。

元の資料確認:。追加の確認日は記事末尾の資料ごとに記載しています。

居間の机で、退院後に使う物のメモを見ながら話すナオキとカズコ
必要な物は、本人の希望を聞きながら書き出す。 AIで作成した架空の場面です。

退院が決まると、家で使う物を急いでそろえたくなります。買う前に、必要な物を三つに分けてください。介護保険で借りられる物、購入費の支給がある物、自分で買う生活用品です。借りられる物を先に買ってしまうと、体に合わなかったときに替えられません。

買う前に、三つに分ける

2026年度の時点で、介護保険には福祉用具を借りる仕組みと、購入費の支給を受ける仕組みがあります。

分け方 主な物 買う前にすること
借りられる物(福祉用具貸与) 介護用のベッド、車いす、手すり、スロープ、歩行器、つえ ケアマネジャーか地域包括支援センターに相談する
購入費の支給がある物(特定福祉用具販売) 腰掛便座、入浴補助用具、簡易浴槽 対象になるかを確かめ、指定を受けた事業者から買う
自分で買う生活用品 防水シーツ、防臭袋、着替え、名前付けの用品 病院で必要かを確かめ、家の条件に合う物を選ぶ

借りる物は、指定を受けた事業者が、本人の体と家の状況に合う物を選ぶ手助けをし、取り付けと調整まで行います。費用は1割で、所得によって2割か3割になります。要介護度ごとに1か月の支給限度額があるため、ほかの介護サービスと合わせて考えます。

介護用のベッドや車いすは、要支援1・2と要介護1の人は、原則として保険給付の対象になりません。体の状態によっては対象になる場合もあります。使えるかどうかは、相談先に確かめてください。

購入費の支給は、いったん全額を支払い、後から9割(所得によって8割または7割)が払い戻される仕組みです。同じ年度で10万円までが対象になります。入浴補助用具には、入浴用のいす、浴槽用の手すり、浴槽内のいす、入浴台などがあります。

壁に手すりを取り付ける、段差をなくすといった工事は、住宅改修として介護保険の対象になります。工事の前と後に、市区町村への申請が要ります。工事を頼む前に、ケアマネジャーに相談してください。

退院前に、病院と相談先に確かめること

病院の相談窓口や担当の看護師に、退院後の生活で必要になる物を尋ねます。次の四つを聞いておくと、買う物が絞れます。

  • 寝る場所は、今の布団やベッドのままでよいか
  • トイレと入浴で、手助けや用具が要るか
  • 家の中の移動で、つえや歩行器、手すりが要るか
  • 着替えや食事で、用意しておく物があるか

担当のケアマネジャーがいる場合は、病院で聞いた内容を伝えます。まだいない場合は、親の住所を担当する地域包括支援センターに相談してください。退院の予定日も一緒に伝えます。

退院の日までに要る物と、帰ってから決める物

全部を退院の日までにそろえる必要はありません。帰った日から使う物と、暮らしてみてから決める物に分けます。

時期 物 理由
退院の日まで 寝る場所、トイレと入浴の用具 帰った日から使う。借りる物は、届く日を事業者と決める
退院の日まで 着替え、病院から指示された物 病院の案内に合わせて用意する
帰ってから 防水シーツの枚数、防臭袋の大きさ 使ってみて、洗濯や置き場所に合う数と大きさを決める
帰ってから デイサービスの持ち物 利用先が決まり、持ち物表を受け取ってから用意する

帰ってから決める物は、最初は少ない数で始めます。足りないと分かってから買い足すほうが、使わない物が残りません。

自分で買う生活用品の選び方

自分で買う物は、用品ごとに選び方をまとめています。必要になった物だけ読んでください。

相談する前に買わない物

次の物は、相談する前に買わないでください。

  • 介護用のベッド、車いす、歩行器、つえ、手すり、スロープ
  • 腰掛便座、入浴用のいすなどの入浴補助用具
  • 手すりの取り付けや段差をなくす工事

理由は二つあります。一つは、介護保険で借りられるか、購入費の支給を受けられる場合があるためです。もう一つは、体に合うかどうかを、買う前に確かめる必要があるためです。退院後は体の状態が変わることもあります。借りる物なら、合わないときに替えられます。

固定用のスロープ、歩行器、つえの一部は、2024年4月から、借りるか買うかを選べるようになりました。どちらが合うかは、ケアマネジャーと福祉用具専門相談員が提案します。

次の一歩

要介護認定の申請がまだなら、要介護認定の申請で窓口と持ち物を確かめてください。相談できるケアマネジャーを探すときは、ケアマネの探し方が入口になります。入院直後の連絡先と順番は、親が倒れた直後の72時間にまとめています。

HAND OVER, NOT ALONE

一人で抱えず、外へ渡すこと

  • どんな用具が体に合うかは、病院の担当者、ケアマネジャー、福祉用具の事業者に確かめる
  • 退院後の体調の変化や、薬・食事の指示は、病院とかかりつけの医療機関に確かめる
  • 介護保険で借りられるか、支給の対象になるかは、買う前にケアマネジャーか地域包括支援センターに相談する

次に確認すること

病院の相談窓口に、退院後の生活で必要になる物を尋ねる日を決める

SOURCES

一次資料(厚生労働省・自治体など)

  1. 福祉用具貸与(介護サービス情報公表システム)厚生労働省 · 2026/9/29確認
  2. 特定福祉用具販売(介護サービス情報公表システム)厚生労働省 · 2026/9/29確認
  3. 福祉用具・住宅改修厚生労働省 · 2026/9/29確認

VISIBLE FAQ

よくある質問

介護用のベッドは買ったほうがよいですか。

買う前に、介護保険で借りられるかを確かめてください。介護用のベッド(特殊寝台)は福祉用具貸与の対象です。ただし、要支援1・2と要介護1の人は、原則として保険給付の対象になりません。体の状態によっては対象になる場合もあるため、担当のケアマネジャーか地域包括支援センターに相談してください。

入浴用のいすや手すりは、自分で買ってよいですか。

買う前に確かめてください。入浴用のいすや浴槽用の手すりは、介護保険の特定福祉用具販売の対象です。指定を受けた事業者が販売する仕組みで、いったん全額を支払った後に、費用の9割(所得によって8割または7割)が払い戻されます。廊下やトイレの手すりには、借りられる物と、工事で取り付ける物があります。工事は住宅改修として申請します。

要介護認定の結果が出ていなくても、準備できますか。

防水シーツや着替えなど、自分で買う生活用品は準備できます。介護保険で借りたい物があるときは、結果を待たずに、地域包括支援センターか市区町村の窓口に相談してください。